もりメイト育成講座⑦

もりメイト育成講座は

市民参加の森林づくりのリーダーとなる森林ボランティアを育成するため講座です。
講座では、森林の手入れに関する基礎知識と技術の習得を目的とし、『下刈り』『間伐』『竹林整備』『植林』『枝打ち』『里山整備』を、広島市内各所の森で講習を受ける講座です。今日が一年つづいた講座の最終日です。

今日は『森メイト育成講座⑨‐枝打ち』に参加してきました。

■枝打ちとは?
林業では余分な枝や枯れた枝を、ナタや斧、ノコギリなどを使用して一本一本伐って落とす作業を枝打ちと言います。
商品価値を高める「無節」という状態や、まっすぐな木を作りやすくするためには枝打ちが必要です。
木の商品価値を高めるだけでなく、虫食いや病気からも森を守ることができるので、森林の環境保全のためにも欠かせない作業工程の一つとされています。

まずは・・・本日の実習の説明と体をほぐすラジオ体操からスタートです!

■枝打ちの時期とは?
枝打ちには決められた季節があります。
季節は早春の木の芽時から紅葉のはじまる晩秋の頃までと言われています。
逆に、木の芽時を過ぎて新緑の頃となってしまうと細胞分裂が盛んとなり、未熟な新しい組織が形成されます。
この時期に枝打ちをすると幹が傷つきやすくなってしまい、少しでもキズが付くと修復されずに大きく拡大してしまうため、枝打ちを行ってはいけない季節とされています。
冬はこのような細胞分裂が止まるため枝打ちに向いていそうですが、厳冬期は枝が固くなりすぎて枝打ちの道具が傷む上に、作業の効率も下がるため、お勧めできないと言われています。

植林後7-8年経過したヒノキの高さ2m以下の枝を全て枝打ちします。

■枝打ちの目的や意味とは?
枝打ちには木の商品価値を高めるという大きな目的があります。
枝打ちをすることによる節のない「無節」の木や、鉛筆のようにまっすぐな木、目合いの良い木は木材にした際に商品価値が高くなります。
このようなハイクオリティな木は丁寧な枝打ちをすることで得られるのです。

鋸を使って切断表面が水平になるように切り取ります。

枝打ちを行うと・・・
例えば枝打ちをすると木と木の間がすっきりし、見栄えの良い森林となります。見栄えの良い森林は管理がしやすく、この先に行う間伐の選木などが効率よく行えるので、林業の作業全般を見ても枝打ちは意味がある作業です。
さらに枝打ちには森林の環境保全の効果があります。
枝打ちをすることで光が差し、地表の土壌分解が促進され、灌木類が豊かに育ちます。
間伐による涵養効果をうたわれますが、丁寧な枝打ちも森林保全に一役買っているのです。

今回の講習では一人約30本程度の枝打ちを行いました。

■枝打ちの作業方法
枝打ちの作業は注意しないと事故に繋がることもあります。
一般的に枝打ちをする時は、長袖長ズボンなどの作業着を身に付け、ヘルメットや安全帯、刃物類を抱えるため、相当の重装備となるのです。いくら枝打ちの道具が簡単に入手できたとしても、扱えなければ意味がありません。特に枝打ちの道具として用いるナタや斧などは慣れないと片手で扱うのは重労働になり、初心者では持ち上げるだけでも大変な作業になってしまいます。作業のコツとしては、「下から上へ」が基本となっています。太さ1.5cm以下の細い枝はナタを使っていっきに振り下ろしていきます。1.5cm以上の太い枝の場合は、枝元から少し離れた場所に下から7割ほど打ち込んでいき、そのあとで上から3割打ち込み、枝を落としていきます。先に下から切りこみを入れると、上から効率よく叩き落とすことができます。何本も枝打ちをして経験を積んでいくと、力加減やコツを覚え、スパッと落とせるようになると言われています。今回は全て鋸で枝打ちを行いました。

画面左-枝打ち前、画面中央には枝打ち後のヒノキ群がひろがります。
一年間一緒に活動した2班の仲間と中央藤原先生・・・記念撮影です!
後列左から 洲濱 泰久氏、上田 稔氏、堺 次郎氏、澤田照久
前列左から鈴木俊哉氏、藤原先生

 

 

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